腰部脊柱管狭窄症について
腰部脊柱管狭窄症の際に行われる手術の中で一番多いのが、椎弓切除術です。この手術は、狭くなった脊柱管を拡大して、馬尾や神経根を狭窄している部分の圧迫を取り除くことによって坐骨神経痛や間欠跛行(かんけつはこう)などの症状をおさえるだけでなく、根本治療していく手術です。この手術が必ず、腰部脊柱管狭窄症のときにされるわけではありません。基本的には、次のような病態があるときです。
1、神経の障害により排尿や排便に障害がある人
2、間欠跛行(かんけつはこう)が著しい人
3、坐骨神経痛がひどく脚部に強い痛みがある人
4、まひによって足の動く、力をいれることがむずかしい人
馬尾や神経根への圧迫を取り除くためには、脊柱管を削る必要があります。脊柱管はもちろん、身体の安定するために必要であり、神経を守る働きをしている非常に大切な部分です。しかし、その中で、椎弓だけは削ったとしても身体に影響を与えることはほとんどありません。ちなみに椎弓とは、脊柱管の後ろの部分です。そして、この椎弓を非常に広範囲にわたって削ることもあります。
手術をするときは腹ばいになっておこなわれ、どの部位が圧迫しているのかを慎重に観察されます。そして、腰部脊柱管狭窄症の椎弓切除術は腹ばいになって行われ、その際に、腹圧がかからないように特殊な装置を用います。
手術が終わると、3日程度は安静にする必要があります。血栓ができやすい人に対しては、血栓を溶かす薬を投与されます。寝返りなどは可能です。そして手術してドレーンからの出血がとまったら、コルセットを装着しながら、リハビリも行われます。
腰部脊柱管狭窄症について
腰部脊柱管狭窄症を手術をする場合にも、人によって圧迫している部分などは全く違いますので、そのことについて紹介していきます。まずは、腰部脊柱管手術をする目的を説明すると、2種類あります。
神経への圧迫が原因で坐骨神経痛や間欠跛行(かんけつはこう)があらわれているので、それらの圧迫を取り除くための手術(除圧手術)と、椎間などの脊柱管にある骨の変形や異常な動きをおさえるために、固定する手術(脊柱管固定手術)があります。
除圧手術にも細かく分類すると、椎弓切除術と開窓術があります。椎弓切除術は腰部脊柱管狭窄症の際に行われる手術の中で一番多くつかわれている手術です。これらの手術の特徴について、説明していきます。
坐骨神経痛と手術
腰部脊柱管狭窄症がひどく、坐骨神経痛や間欠跛行(かんけつはこう)の症状がでていても、あまり手術は行われません。基本的には症状の緩和をすることを目的に、薬物療法やブロック療法などが行われます。
坐骨神経痛や間欠跛行(かんけつはこう)の痛みがひどくなってきたり、筋力低下により歩行困難になる、排尿や排便がコントロールできなくなったなどの問題が起きる場合は、手術が行われる場合があります。手術の種類には、神経の圧迫を除く除圧手術、脊柱固定術があります。
技術の進歩により、早期にリハビリテーションが可能になり、早期退院も可能になりました。脊柱固定手術に使われる埋め込み器具は現在では、ステンレス製からチタン製に変わり、人工の骨も同時に埋め込まれることもあります。日に日に、手術器具は進歩しています。
坐骨神経痛と理学療法
坐骨神経痛の際に、コルセットなどの装具での治療を行われる場合があります。仙椎が動かないように制限し、腹圧を上昇させて腰椎を安定させ、前傾姿勢を保つ目的があります。
コルセットにも大きく分けて2種類あり、美容目的でも使用される軟性コルセットと、腰椎の過剰な伸展を防ぐ特殊なコルセットがあり、坐骨神経痛の方の多くが特殊なコルセットを使います。後者のコルセットは、坐骨神経痛の痛みを和らげるために、常に前かがみの姿勢が保てるように工夫をされています。
そして、坐骨神経痛だけでなく、間欠跛行(かんけつはこう)の症状にも対応しています。ただし、このコルセットにも問題があります。まずは、長時間にわたり、コルセットに頼っていると、自然に立っているときよりも負担が軽くなるために、腹筋や背筋の筋肉が衰えるという問題があげられます。そして、姿勢的に楽になり、装着時には、坐骨神経痛の痛みをやわらげることができるのですが、3分の1の患者さんしか症状の改善がみられなかったという結果も出ています。
坐骨神経痛の治療法
腰部脊柱管狭窄症は、内臓などの疾患などと違い、生命の危機になるようなことはないので、いきなり手術を選択するということはあまりありません。まずは、保存療法を選択されることになります。手術がされるケースは、保存療法をしてもあまり効果がなく、坐骨神経痛や間欠跛行(かんけつはこう)が普段の生活に支障がでて、日常の作業や仕事に影響が出ているときに行われます。
そして、高齢者などでは、筋力の衰えが原因で行われることが多いようです。たとえば、足の筋力の衰えから歩行が困難になったり、坐骨神経痛の重度の症状である排尿や排便に困難をきたすような場合も当てはまります。ただし、腰部脊柱管狭窄症とほかの病気の合併症を起こしている場合などは、坐骨神経痛が出ていたとしても手術ができない場合もあります。
坐骨神経痛と理学療法
筋肉の働きを改善して、骨格や神経系にもいい影響を与え、関節の動きをスムーズにする目的で運動療法は行われます。これは治療法とは少し違っているかもしれませんね。脊柱管狭窄症の場合には、腹筋と背筋を鍛える方法もありますが、これは個人的にはあまり薦めていません。
たしかに筋肉は必要なのですが、スポーツ選手に腰痛や背中の痛みがないのでしょうか?違いますよね。たしかに足の筋肉は血管を全身におくるポンプとして第二の心臓として機能しますが、無理に腹筋や背筋を鍛えようとすると逆効果になりかねません。そのために背骨のストレッチや全身のストレッチを中心に行っていくほうを個人的にはオススメします。
運動療法は治療法としては非常に時間がかかるだけでなく、間違ったやり方を行うとかえって症状の悪化を招くこともありますので、注意が必要です。自動車での外出やラジオ体操の上半身前屈運動、水中歩行や水泳なども運動療法として有効です。実際にストレッチとしては、仰向けになり、片足の膝を抱えたり、まっすぐ伸ばしたりする方法をシンプルに続けていくことが大切だと思います。
坐骨神経痛の治療法
坐骨神経痛の原因となっている神経部位にごく弱い電流を流し、その刺激によって痛みを緩和する治療法があります。その治療法が低周波電気刺激療法です。ほかの効果としては、筋肉を収縮させ、血行促進の効果もあります。全身の安静が必要な患者や結核性の病気や、がんなどの悪性腫瘍の患者さんには行われません。
坐骨神経痛と理学療法
坐骨神経痛の原因はやはり脊柱管の圧迫にありますので、腰椎を引き伸ばし、腰痛や下肢の痛みをやわらげる治療法があり、その治療法が牽引療法です。腰に普段は負担がかかっているのですが、その負担を和らげ、筋肉のよけいな緊張や、腰椎の前弯を取り除き、神経の圧迫を防ぎます。
だいたい10kg程度までの重さで、10分程度行いますが、間欠跛行(かんけつはこう)がひどい場合は20kg〜30kgぐらいの重さで短時間行われます。ただし、体重の半分までが上限とされており、体重が軽い方ではもう少し低い方もおられます。私も腰痛がひどいときに牽引に通ったのですが、あまり効果を実感することはありませんでした。私の場合は、神経を圧迫はしていなかったのですが、神経の圧迫がひどい方には効果があるかもしれません。
坐骨神経痛と理学療法
坐骨神経痛の痛みをやらわげるために温めて治療する方法が温熱療法です。病院では、ホットパックを使ったものや、赤外線、マイクロウェーブ装置などによる方法が行います。
ホットパックとはどのようなものかというと、特殊な泥が中に入った木綿の厚い嚢に入れたものを80℃の湯で温めます。それをバスタオルなどにくるんで、15分程度温める方法です。次に赤外線療法を紹介します。
赤外線灯によって乾いた温風を幹部に当てて、血行を促進させる方法です。赤外線の照射によって、血行促進作用があります。そして、筋肉の緊張をほぐす効果もあります。ただし、動脈硬化や心臓病などの患者さんには非常に危険ですので、使用しません。
坐骨神経痛でも閉塞性動脈硬化症の疑いがある場合や併発している場合は行いません。そして、最後にマイクロウェーブ療法を紹介します。この方法は内部の深いところにある関節に超短波を流すものです。関節とその周辺の障害の改善に使われています。私自身は、昔にホットパック療法で腰痛の改善を図りましたが、全く効果がありませんでした。気休めという程度にしかなりませんでした。もちろん、効果がある人もおられると思いますが、個人的にはあまりオススメしていません。
坐骨神経痛と理学療法
坐骨神経痛を手術しないで治療する方法の1つで理学療法があります。理学療法は体を動かす機能が低下している患者さんに対して、機能回復用の体操をはじめとする各種の運動、電気刺激、温熱、光線、牽引やマッサージなどの物理的な方法によって、運動機能の回復を図る治療法です。
お医者さんから支持を受けた理学療法士によって行われます。坐骨神経痛や腰痛は、日常生活が原因となって引き起こされています。無理な体勢や作業を続けると、どうしても坐骨神経痛や腰痛がひどくなります。
これをさらに持続させると、慢性化するおそれもあります。ただし、坐骨神経痛に対して多少の効果は認められているものの、科学的にはまだ十分に証明されていません。ですので、行うか行わないかは効果を感じられるかどうか自分で把握すべきです。







